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『顎関節症の治療』セミナーで講師をしました

新春第3弾は「顎関節症の基礎と臨床」と題して、稲葉 繁先生とのコラボレーション講演をしました。

前回までは歯がない方の人工的な入れ歯の治療でしたが、顎関節症は口を動かす栄養摂取の根幹をなす生体の機能障害です。それだけに、しっかり原因をつきとめ、再発しないように対応しなければいけないのです。

顎関節症の治療についての講演

図1図2

私は午後からで、若年者の痛みがあり口が開かない方と、高齢者で奥歯がなく、開かない症例を用意しましたが、ともに同じ口が開かない症例ですが原因が違います。この違いを受講生にわかりやすく講演しました。

図3

昨年私が受講したドイツ理学療法士のよる方法は歯科医師・理学療法士・セラピストが一体となって治療しているようです。日本ではまず見られない方法ですが、痛みが原因で不安定な気持ちになる方もいます。

日本の顎関節症治療

日本の顎関節症の治療法は、全ての歯科医師が理解できる明確なガイドラインがありません。そこでIPSG研修会では、生体の症状と心理的な問題は切り離し、歯科的な問題を解決することで心もケアしています。それには明確な症状の原因分析と治療チャートがあるからなのです。

図4

日本国民の歯科調査では、高齢化に伴い、顎の違和感が増えているようで、調査によれば85歳以上の自覚症状が増えています。

私の経験では、高齢者の症状は、奥歯が抜けたた状態で放置した結果、関節が悪くなった特徴があり、若年中年と原因の違うものが多いと感じています。

顎関節の正常な基本解剖構造や働き

図5

顎関節の正常な基本解剖構造や働きを説明。実際の治療では、レントゲンやMRIによる精査で患者さまの構造がわかり、何が正常像と異なるかイメージできることが大切です。

図6

顎関節にある関節板の病的な動きの状態とはどのようなものかを比較します。解剖的な動画も活用して、なぜ顎関節から音が鳴り開かないのか理解します。

顎関節症の治療方針・計画の立て方

図7

顎関節症をどのような診査と臨床症状の分析で治療の方針・計画を立てているのかを、症例から説明します。とてもシステム化されているので、マウスピースや薬に頼らずに原因治療ができます。

顎関節症の症例紹介

図10

高齢者に多い奥歯のないの症例です。奥歯がないことで起こる顎関節症は、通常の原因と異なります。

奥歯がないために、関節円板に過度の負担が起こり、円板に穴があいてしまい正常な機能にはもう戻りません。それが持続すると栄養摂取にも問題が起こり高齢者には体調を崩す状態になります。このような症例では咬み合せで円板のスペースを確保する特殊な治療を行います。

このようなIPSG独自の療法で症状を改善し、テレスコープ入れ歯でしっかり奥歯の咬み合せをつくり、顎関節の機能を守ることができるのです。

前回のテレスコープ入れ歯の研修が役に立ちます。日本ではこのような顎関節の理解がないために、不適切な奥歯の入れ歯が使用されている現状で、高齢者の顎関節症が増加している要因になっていると言えます。

顎関節症の治療後

図13

検査データで、治療終了後に症状が改善したことを確認して、患者さまにお知らせします。

顎関節症は日本の保健診療で認められているマウスピースや薬だけの対応では現症の一時的な安定のみで根本的には治らないことが多いようです。IPSGの方針は歯科医師の経験ではなく、生体と原因の理解から適切な治療計画・方針を立ててで完治させます。そのため、初めて受講した方に治療の難しいとされる顎関節症をわかりやすく理解できたと思います。

千葉県松戸市 ひかり・歯科クリニック