歯の定期検診とリスク診査の重要性
最近は、「予防歯科」というワードをよく耳にするようになりました。
「歯医者は歯が痛くなったら行く場所」という考え方ではなく、「日頃の歯のケアを歯医者と一緒にむし歯や歯周病にならないように予防したい」という考え方が浸透してきたように思います。
しかし、まだまだ、ご自身のお口の中の状態や違和感、疑問などをそのままにしている方も多いのではないでしょうか?
例えば下記のようなお口の中の状態や違和感、疑問などを感じたことはありませんか?
- 細菌感染以外の歯を失うリスクを知りたい方
- 咬み合わせに違和感・不安がある方
- 歯並びに不正がある方
- 被せ物の治療が多い方
- 義歯が合わない不満がある方
- 肩や首、咬む時に咀嚼筋に疼痛や違和感がある方
- 顎の関節に疼痛や違和感がある方
始めは少しの違和感ですが、放っておくと身体全体の不具合にもつながりかねません。
今回はその予防歯科の一つとして、リスク診査についてご紹介させていただきます。
リスク診査とは <一般的なリスク診査>
当院のリスク診査
一般的な歯科医院のリスク診査のほかに当医院では次のような診査を行っています。
- 咬み合わせ診査
- 姿勢の診査
- 咀嚼筋の診査
- 顎関節の診査
上記の診査をしてから咬み合わせの影響から姿勢バランス不正・咀嚼筋の疼痛・顎関節への障害がないか診ます。 そして、将来、細菌感染以外で咬み合わせの不正で歯を失うリスクも診断することができます。
歯は、厚生労働省の歯科疾患実態調査報告からもわかる通り、奥歯から抜けていく傾向があります。これにはかみ合わせが深く関係しているのです。
この理由から、当院のリスク診査では細菌感染だけでなく、かみ合わせも重視しております。
続けて、奥歯から歯を失っていく傾向と、当院の具体的なリスク診査の内容についてご紹介してまいります。
奥歯から歯を失っていく原因は、う蝕や歯周病以外にある
上図は、厚生労働省の「平成11年歯科疾患実態調査報告」で、男女それぞれの歯が何歳で抜けているかを示したものですが、男女ともに奥歯の寿命が短く、50歳前後で奥歯を失う傾向があると言えます。
奥歯から次第に前歯まで失う方の主な原因として、虫歯や歯周病以外にも咬み合わせの不均衡などがあります。
加えて、上図は「口を大きく開閉した時のあごの音が気になる」という質問に「はい」と答えた方のグラフです。
一般的には年齢を重ねるとともに減っていくのですが、55歳〜59歳(男性)や85歳以上(男性)の方たちの「気になる」という答えが増加しています。<表をご参照ください>
これは、奥歯がなくなり始める年齢になり、咬み合わせが不均衡になり始める時期と(55歳〜59歳)、入れ歯などで歯を治療した後(85歳以上)に起こる、咬み合わせの不均衡による原因の可能性が高いと考えられます。
そうなってしまう前に、自身の歯(お口の中)をしっかりとリスク診査して、今の歯の状態を把握し、今後についてもお話できればと思います。
実際にどのような診査・診断をするのか?
当院のリスク診査は、以下のような流れで進めてまいります。
- STEP1姿勢と顔面の左右バランスの視査
-
・瞳孔線
・首の傾き
・肩の高さ
・指先の位置
これらから身体の左右バランスを診ます。
顔面では眼角の位置、頬や 唇の膨らみ、鼻唇溝の深さ 顎先の緊張などを診ます。
こちらの患者さまは少し左肩が上がっています。
- STEP2咀嚼筋の触診
-
咀嚼筋の種類とその働き
触診によりどの筋肉 に疼痛があり、その機能に障害があるのかを診ます。
- STEP3口の開く量・方向の視査
-
口を開いてもらい2点を診ます
1.開口量はどうか?
4cm以下だと関節の軟骨に問題あり
2.まっすく開くか
歪んでいると軟骨の動きの協調に問題あり口の開閉時の聴診
ドップラー聴診器で開閉口時の雑音があると軟骨に問題あり
- STEP4レントゲンやCTから、歯槽骨と顎関節の骨状態や歯周病罹患の状態を診ます
- STEP5お口の中の視診
-
次の様な項目を診ていきます
・歯並び
・異常なすり減り
・舌の異常
・人工的な治療箇所の異常など
- STEP6咬み合わせの診断
-
左:フェイスボー装置…顎関節から歯の位置を診断機器に移行する装置
右:咬合器…咬み合わせを表に出して客観的に診査する装置「歯医者は痛くなってから行くところ」ではなく、「より快適な食生活やコミュニケーションをするために必要なところ」という認識が次第に増えていくことを目指し、日々、患者様のお悩みをお伺いしています。
まず、リスク診査・診断をすることで天然の歯並びや治療済みの歯の咬み合わせに異常があるかをご確認していただければと思います。
ひかり歯科クリニックでは、咀嚼筋・顎関節・姿勢によるストレスを与える咬み合わせから、将来、歯を失うリスクを診断することができますので、お気軽にご相談ください。