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記念講演「ドイツ最先端義歯とインプラントの融合」その3

図2

記念講演会開催のきっかけ

この記念講演会は、昨年IPSGのドイツ研修旅行で国際歯科見本市や歯科大学付属病院・開業医・技工所の視察をした際にインプラントとテレスコープシステムのコンビネーションの治療を多く見たことを発端としています。

日本ではまず見られない治療に驚くことからはじまり、稲葉先生のチュービンゲン大学教授との交流からインプラント・テレスコープシステムの両方の現状をコラボレーションした講演会を、ドイツと日本の一線の先生方にお願いして実現しました。

日本でのインプラント治療の状況

日本でのインプラント治療は私が大学を卒業した15年前は、少数の開業医と大学病院でしか受診できませんでした。1歯の抜けた状態に対して1つのインプラント装置が基準の時代に多数歯の抜けた状態に対応する方法は確立されていませんでした。

現在は大学教育にも導入され、多数歯の抜けた状態にも応用され広がりをみせています。

日本でのテレスコープシステムによる治療の状況

一方、テレスコープシステムの治療は。ドイツで100年以上前から基本的な技術体系があり、大学でも教育され、保健診療に認められています。

日本ではその精密な製造法が可能な技工士が少ないことと、大学では教育されないため、一般的にあまり認知されていませんでした。

外科的な処置を必要とせず、残った歯の根をを守りながら機能するこの方法は、高い設計・診断能力と正しい治療工程ができないとできません。そのため、日本では正しく理解しているのは少数の歯科医師しかいません。

歯科医師は、欠損症(歯の抜けた状態の)患者さんが機能を取り戻すための同じような方法ですが、それぞれを全く異なる方向性としてとらえていました。

今回の講演内容から気づいたこと

今回、歯科医療先進国のヨーロッパから両方の良いところを融合したこの方法が広く行われているのは、ドイツの国民性と社会背景にあると思いました。

ドイツも高齢化社会であり、身体・認知的な問題からメインテナンスや破損の問題に対応できる自分で外せるテレスコープを応用したインプラント治療は、これからの時代に対応している最良の方法なのです。

ドイツ同様の超高齢社会の日本においては、死亡原因の4位に肺炎があり、そのうち80歳以上の人には誤嚥性肺炎が原因で、歯の抜けている状態が原因で咀嚼ができないと嚥下障害が起こりやすいのです。その機能を改善するのは、これらの方法は命を守るものだと思います。

今回、IPSG20周年の記念講演会を有意義に終了することができました。演者・開催関係者・IPSG会員の皆様が歯科医療の発展に尽力する気持ちの表れだと思いました。ありがとうございました。

千葉県松戸市 ひかり・歯科クリニック