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『日本顎咬合学会』に講師として参加しました

6月は学会が多い季節です。「 顎咬合学会 」が有楽町の東京フォーラムで開催されました。

登録人数が8,000人と多く、講演者も大学医局・研究者から開業医・技工士・衛生士まで診療科の垣根の無い講演が見れる学会です。

私には12年前、大学医局時代の研究発表した思い入れの深い学会でもあります。

今年は「機能を表現・据える・発信する」という標語を掲げていました。以前よりもインプラント治療の講演は少なくなり、摂食・嚥下機能の講演が増えました。また、テレスコープシステムのポスター発表は初めて見ました。

図1

顎咬合学会でのIPSG会員の発表

今年のIPSGからの講演者は、稲葉 繁先生・大石 信彦先生・中沢 勇太技工士・私の4人でした。

図2

稲葉 繁先生は顎関節症と無歯顎症の講演でした。多くの参加者が聴講し、顎関節症の口が開かない状態を治す手順は必見ものでした。また、診断の模様を動画で解説していてとても理解しやすいものでした。

図3

中沢技工士はテレスコープの製作法を講演と機材を持ち込み、歯科技工のデモンストレーション。レジリエンツ・リーゲルテレスコープの2種類の製作法を短時間でよくまとめていました。

顎咬合学会での私(岩田)の発表

図4

私は「最新テレスコープシステム」と題し、超高齢社会に対応できる入れ歯としてレジリエンツテレスコープの入れ歯について講演しました。

図7

この方は私が大学病院勤務時代からテレスコープ入れ歯(上顎:レジリエンツテレスコープ 下顎:コーヌステレスコープ)の管理をしている患者さまです(写真使用につき患者さまに了承を得ています)。

多少の素材劣化はありますが、今年90歳になり治療後20年間経過した今でもテレスコープ入れ歯を使用して生活しています。患者さまの「食べることが健康の源」と言う言葉にいつも実感を感じています。そしてこの長期経過から今回の講演内容を考えました。

図10

2025年問題 現在70歳代の団塊の世代が10年後に日本の平均寿命の年齢を越えていきます。今、中高年で既に多数の歯を失っている方は静観してそのままでいれば確実に無歯顎症になってしまいます。無歯顎症になると口の多くの機能が働きませんので絶対に阻止しなければいけないですね。

図8

そして、多数歯の抜けた方でも上記のような傾向が表われやすく日常生活に支障が起こります。現在、少しでも残っている歯を守って、機能を改善できるの入れ歯はレジリエンツテレスコープなんです。日本ではあまり認知されていない方法です。

図12

もし、不適切な入れ歯により機能改善ができなかった場合は栄養摂取や飲み込みの障害につながる可能性があります。それではいけません 加齢しても健康が維持継続できる入れ歯にすることはとても重要なんですね。

図20

60代の患者さまの症例を初診から終了までの治療の経過を歯科医師と技工士の連携技術のポイントを動画いれてわかりやすく説明しました。レジリエンツテレスコープの理論は1970年に開発されたものでインプラントよりも歴史は古いので何も新しいものではありません。

図13

何が最新なのか?それは、レジリエンツテレスコープの方法に上下顎同時印象の型どり法をとり入れ口の中の空間を隅々まで記録すること(上記左)、生体の中心を計測し咬合器に付着して(上記中央)、顎関節を守ることのできる特殊な人工歯を使う(上記右)一連のシステムをレジリエンツテレスコープに応用することです。

それにより入れ歯の口の中での維持する力が良いのです。また、これらはインプラントと異なるコンセプトなので外科手術が必要なくご自身で衛生管理しやすく、入れ歯が破損しても修理が容易で作り替えが無い方法なのです。

顎咬合学会でのデモンストレーションの様子

図5

デモンストレーションは、かみ合わせと顎の位置を記録をする機器の使用方法を行いました。 Kavoスタッフの皆様 機材の提供・ご協力ありがとうございました。

図6

学会の合間にパチリ。稲葉ご夫妻を囲んで、左から飯塚会長・同級生の伊庭先生姉弟・私・小西先生。

千葉県松戸市 ひかり・歯科クリニック