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『絶対に治る』という医療広告について歯科医師として思うこと

先日、とあるテレビ番組で医療広告の『絶対に治る』という標榜について有識者が討論していました。

利用者が過度に期待するような広告と事実が大きく解離した場合に問題が起こることが多いようです。

また、みなさんはご存知ないかもしれませんが、その対策として医療広告や医院サイトでの表現にもガイドラインが整備されつつあります。

ただ一方で、まだすべてそのガイドラインに則っているわけではなく苦情が出ている場合もあるため、ガイドラインも年々更新されています。

このような状況について私が思うことは、歯科医療は顎関節、歯周組織、硬組織、筋肉の器官が関連する疾患を人工的な材料で治療する特殊性のある医療だいうことです。

そのため、各器官を適切な診査診断してない限りは安易に『絶対に治る』とは言えないですし、そもそも歯科治療とは『治る』ではなく『機能を改善させる』ものです。

つまり歯を失う欠損症を例にとってみると、失った歯は残念ですが再生できませんので、人工的に身体に違和感なく機能させるということが正しいのです。

欠損症を治療して10年以上経っている患者様を診ると、初診時の診査診断と理論が正しい治療法をおこなった方は、人工物が身体の機能を改善して長期間維持できていました。

私は、『絶対に治る』という言葉ではなく『長期間、機能を改善する』ための努力を惜しんでいません。

千葉県松戸市 ひかり・歯科クリニック 院長 岩田